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【緊急】爬虫類の地震対策

東日本大地震により被害を受けられた皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 

ビバリウムガイドでは爬虫類を飼育されている方々に、避難する際の注意点、計画停電や節電時の対策についてご案内しております。
爬虫類を飼育されている方は、ご一読お願いいたします。

 

避難する際の爬虫類対策

被災時の爬虫類の餌

節電時の対策

計画停電時の対策

使い捨てカイロの使用法、その他

 

 

避難する際の爬虫類対策

   すぐに帰って来れるかもしれない、長期戦になるかもしれない、状況は様々なので他の注意点との複合作戦をとるようにお願いいたします。また、シビアな話も出てきますが、まずは飼育者自身の命、生活を優先するようにしてください。
   
  避難勧告が出された場合
爬虫類の保温はすべて切ってください。遠赤外線ヒーターなどのように消費電力も乏しく、高温を発さないものならともかく、バスキングランプ、保温球などは コンセントから抜いてください。これは停電のときなども同じで、人がいない家で電気が復旧した際に、ランプだけがついているという状況を避けるためです。 地震のときに怖いのは二次火災です。火災が起きる可能性があるものは、すべてコンセントから抜いて避難します。
もちろん、これによって低温に弱い生体は死ぬ可能性もありますが、緊急時にそんなことは言っていられません。また、多少余裕があるのなら別項を参考にしてください。
   
  避難所など多人数が集まる場所へ行く場合
決して爬虫類を連れて行かないように。確実にいらない争いを生みます。我々の飼育している生き物は、世間からすれば嫌われ者です。ここで「彼らは大事な家族だ」と叫んだところで、緊急時にそんな言葉はかき消されます。
もし、どうしてもという場合は、絶対に人から見えないようにして連れて行くべきです。隠すものがなければ、ベッドや布団のシーツなどで包んでしまうのが良いでしょう。
   
  生き物を置いて避難する場合
使い捨てカイロを2個重ねてケージの中に入れておけば、停電時でも一晩くらいならなんとかなるでしょう。まずは逃げて、落ち着いてから生きていることを願って取りに戻るというのも良い判断だと思います。
   
  まだ準備ができる場合
発泡スチロール箱、ないし段ボール箱を用意し、小さめのプラケースや衣装ケース、布袋に入れて、遠赤外線ヒーターで最低限の保温をしておき、不測の事態にはそこに使い捨てカイロを入れれば、すぐに持って逃げ出せるような準備をしておくのも良いでしょう。

 

 

被災時の爬虫類の餌

   ほとんどの爬虫類、両生類は数週間餌を食べなくても、水さえ飲んでいれば死にません。もちろん痩せる、状態を崩すということはあるでしょうが、それらは危機を回避してからリカバーすれば良いだけです。
むしろ、この電力が不安定な環境、もしかしたら連れて避難しなければいけない状況において、生体に餌を与えることは自殺行為です。彼らは餌を食べれば消化するのに熱を必要とします。その熱がなければ、餌を与えたことがとどめになりかねません。また、環境が急変することによって吐いて体力を急激に消耗してしまうことも考えられます。
節電対策で低温にしておけば、彼らはそもそもの活動が鈍りますので、餌も必要としません。まずは落ち着くまではたまに水を与える程度で、餌を与えないことをお薦めします。

 

 

節電時の対策

   まずは紫外線がらみの照明はすべて切りましょう。数ヶ月紫外線を浴びなかったところで、特に問題はないでしょう。いまは「ベストな飼育」から「生かせておく飼育」に切り替えるのが先です。
爬虫類は変温動物ですから、温度が下がれば不活発になります。正常な彼らの生活を維持しようと思えば、我々は電力を使うしかないのです。しかしながら、現在東日本では深刻な電力不足に悩まされています。ここで我々ができることは、やはりすべての設定温度を下げることでしょう。彼らの飼育温度を下げれば、すべての代謝が下がります。よって、餌も必要としませんし、むやみに暴れることもなくなります。
多くの種はケージ内に1ヵ所最低温度を保てる熱源があれば、そこで耐えることができます。よって、ケージをなるべく小さくして遠赤外線ヒーターなどの危険性の少ない熱源を使用するのがベストでしょう。
何℃なら大丈夫というのは種によっても違いますが、基本的に遠赤外線ヒーターがあればそれで数日で死んでしまうような種類は少ないでしょう。
また、水中ヒーターに関しては、地震の際に揺れで空気中に出てしまい、火災の原因になる可能性があります。比較的新しいものであれば空気に触れると停止する「空焚き防止システム」がついていますが、古いものを使用している人は、安全を考えて切っておくのが賢明です。ミズガメ類は衣装ケースなどに移してそれを遠赤外線ヒーターで保温するというのもひとつの手です。カメの乾燥が気になるのなら、ときおり霧吹きするか、丸めて湿らせた新聞紙を入れておくと良いでしょう。
また、冬眠できる種(ナミヘビや北米産のカメなど)に関しては、この際、冬眠させてしまうことをお薦めします。ほとんどの冬眠できる種において、生後1年以上の個体であれば、無加温にしてしまっても問題ありません。

 

 

計画停電時の対策

   現在、関東地方ではグループによって1日、1回ないし2回、3時間ずつの計画停電が行なわれています。これは場合によっては4月いっぱい続くという話もあるので、備えが必要です。
ただし、厳寒地でもないかぎり、それほど心配する必要はありません。多くの場合、使い捨てカイロか、お湯を入れたペットボトルさえ用意できれば、3時間程度は簡単に乗り切れます。ただし、ただでさえ入手困難になっている使い捨てカイロを毎日消費するのは、現在の状況を鑑みれば、あまりお勧めはできません。そこで、まずは「お湯入りペットボトル」の説明をしておきます(使い捨てカイロに関しては別項に譲ります)。
停電の時間がわかる場合は、直前に浴槽に熱めのお湯を溜めておきます。これをペットボトルに詰め、タオルなどを巻いてケージに入れておくだけ。タオルや新聞紙を巻いて表面の発熱を抑えるだけで、お湯が冷めるのを遅らせることが可能です。あとは、冷めてしまったようならお湯を入れ替えるだけ。停電の時間が曖昧な場合は、ポットや水筒にお湯を入れておくというのも良いでしょう。また、電気は止まってもガスは生きているという場合、それから沸かし始めても大丈夫。いずれにせよ、火を使うときは十分に注意してください。
大事なのは「死なないギリギリの温度を保つ」ことであって「彼らが望む温度を提供すること」ではありません。幸いなことに多くの爬虫類は一時的な温度低下には強いものがほとんどです。より効率的に停電を乗り切る方法を、各家ごと、各部屋ごとに考えて行ないましょう。

 

使い捨てカイロの使用法、その他

   クリーパーの安川雄一郎氏からも文章をいただいた。爬虫類という生き物を理解するうえでも役立つし、より細かく正しいカイロの使い方は今後覚えていても損はないだろう(文章はほぼ安川氏のままだが、冨水が若干の加筆訂正をしています)。

代謝熱で自分の体温を上げることができる内温性の哺乳類、鳥類と異なり、爬虫類は外部の自分よりも温度の高い物体、物質から熱をもらって生活する外温性の動物です。また、周囲の水温や気温と体温があまり変わらない両生類や魚類と異なり、爬虫類は活発な活動(特に消化)には夏場等の高温時を除き、気温や周辺温度よりも高い体温が必要となります。そのため、気温の低い状態では、爬虫類の活動性維持には、外部に熱源を必要とします。
停電時の生物用の保温器具として、上記の特性により、使い捨てカイロはかなり有効です。カイロが使用できない場合、湯を入れたペットボトルやそれに類する容器も使用できます。ただし、それらの使用時に爬虫類が熱源の上に乗りっぱなしになると、低温やけどのおそれがあります。
使い捨てカイロは2つ重ねて、カイロのサイズにより新聞紙で半~3枚程度(ミニサイズなら半~1枚、レギュラーサイズなら1~2枚、ラージサイズなら2~3枚)で、固く包む。可能ならガムテープ等でしっかりと止める。これは、新聞紙の中に入り込んで出られなくなるのを防ぐため。また、ガムテープが剥がれ爬虫類にからみつかないように気をつけたい。
新聞紙を巻くことで、鉄の酸化を利用したカイロの発熱は抑えられ、有効時間がかなり延びます。湯を入れた容器についてもタオルで包んで紙袋やビニール袋に入れる等の方法で、表面温度を下げると同時に有効時間を延ばしてください。
カイロやペットボトルの温度については、しばらく無風の場所に置いて(箱の中等に入れるのが簡便)から触り、わずかに暖かく感じる体温程度の温度が良いかと思いますが、手で触れてかなり暖かく感じる場合は、新聞紙の枚数を増やしても良いでしょう。
温度を何℃にするかは緊急の場合ですので、そこまで神経質にならなくても良いです。外気温や製品にもよりますが、新聞紙を巻くことで2~3倍程度長く使用できます。新聞紙がない場合、カラー印刷の光沢紙等では通気の確保が難しいですが、コピー用紙等、比較的薄い紙質、キッチンペーパーなどのある程度通気性のある丈夫な紙であれば代用できます。
爬虫類が、温度低下時にこれらの上に自由に乗れる状態にすることが効果的です。常時接触して逃げ場のない状態では、やはり低温やけどの危険があります。念のため、同じ大きさのカイロに対し、包む新聞紙の枚数を変化させたものを複数入れておくと、交換できない状態で同時に発熱しなくなるといった事態を防げます。ただし、カイロの数が多すぎる場合、換気不足による低酸素状態にならないようにしましょう。
プラケース等に収容している、ケージに開口部がある場合は、その部分に新聞紙を貼るのも有効です。
カイロ自体まだ使用できる状態で、一時的に使用を停止したい場合は、チャック付きのビニール袋に入れて空気を遮断(中の空気を最大限、外に絞り出した状態で口を閉じる。チャックつき以外でも口を閉じれば同様の効果あり)。
低温の空気は爬虫類に悪影響がある場合もありますが、本来外温性で、体温自体が変化する動物なので、接触する温かなものがあれば、急な温度変化以外にはかなり耐えられます。ただし、餌を食べた状態では消化不良が危険ですので、餌は保温が確保できる状態以外では、水は与えても、餌は与えない方が賢明です。
爬虫類は水さえあれば数週間から、長いものでは数ヵ月もの絶食に耐える動物ですし、特に大型の個体ほど、その傾向が強いです。本来冬眠する種やボールパイソン等の長期の休眠や夏眠を行う種でも、温度を下げれば絶食への耐性が強まる傾向にあります。これに、静かで、照明を落とした、変化の少ない環境を与えることで、温度以外のストレスによる消耗をある程度まで抑えることができます。
さらに、温度を低めに維持すれば、代謝によるエネルギーロスが抑えられます。爬虫類は消化に外部からのかなりの熱エネルギーを必要とします。動かずに呼吸しているだけで消費される基礎代謝も、温度が高いほど高くなってしまいます。また、むやみに高温の状態を維持した場合(相対温度の低下につながり)、絶食による消耗や、給水不足や蒸泄(陸上動物は呼吸するだけで、呼気中に水蒸気という形で水分を失ってしまう)による脱水の影響を受けやすいのです。また、排泄物の量を減らすことは、自家中毒や病気の媒介を防ぐ意味でも効果的です。
その意味では、温度低下や乾燥を抑え、ケージ内を暗くする目的で、ケージを発泡スチロール箱や段ボール箱、衣装ケース等の樹脂製容器に入れたり、紙や布で包むのも効果的です。
プラケースの場合、蓋と本体の間に新聞紙のような薄い紙、キッチンペーパー、カブトムシ・クワガタムシ用のコバエ侵入防止シート等を1枚かませるだけで、保温や乾燥防止効果は違ってきます。また、風に直接あたる場所にケージを置くことも可能なかぎり避けましょう。さらに、保温しすぎによる熱死、通気不足による蒸れや窒息には注意しましょう。
こうした方法は、陸生のカメ、トカゲ類、ヘビ類、ミミズトカゲ類等では効果的ですが、多くの半水生のカメ類、ワニ類、有鱗類についても、熱源を感知してそちらに移動する能力があるので有用です。これらは陸生種に較べて乾燥に弱いケースもありますが、水を切った状態で陸上で管理し、乾燥しすぎの場合は給水や皮膚をときどき濡らすことで対応可能です。また、濡れた布や新聞紙等が湿度維持に効果があります。破られない状態であれば濡らしたペットシーツも役に立ちます。
ただし、完全な水生種(ウミガメやウミヘビ、ヤスリヘビ等の)で、上陸しての日光浴を行わないか、めったに行わない種に関しては、空気中の熱源を感知できないケースがあります。こうしたものは、熱源を与えるのではなく、内部の空気の温度を高めた箱などに移し、それをさらに他の箱に入れ、二重の容器で外箱と内箱の間にカイロや湯を入れたペットボトルを入れ、やや低温(20℃前後でしょうか)で、かつ乾燥も蒸れもしない状態で管理するのが良いと思います。
こうした方法は、比較的低温に弱い熱帯産の両生類(水生種を除く)にも有用です。温帯性、冷帯性、寒帯性の両生類については、むしろ保温しない方が良いでしょう。




 

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